相続した財産の名義変更は必要か
1 相続財産の名義変更は速やかに行うべき
財産の種類によっては、名義変更が法律上義務化されており、中に過料などのペナルティーが科されるものや、法律上義務化されていないが、名義変更しないと事実上、困るものがあり、相続財産の名義変更は速やかに行うべきであると言えます。
2 法律上、義務化されているもの
⑴ 不動産
土地や建物などの不動産の名義変更は、不動産登記法が改正され、2024年4月1日から、法律上義務化されましたので注意が必要です。
不動産登記法第76条の2より、相続人は相続により不動産の取得したことを知った日(遺産分割協議が成立した日などが当てはまります。)から3年以内に所有権移転の登記(名義変更)をしなければならず、不動産登記法164条により、名義変更を怠った場合には、10万円以下の過料に科される可能性があります。
そして、この義務は2024年以前に相続した不動産も対象となるため、注意が必要です。
なお、相続の話し合いがまとまらないなどの理由で、すぐに名義変更ができない場合は、登記官に対して、所有権の登記名義人について相続が開始したことと自分がその相続人であることを申し出る「相続人申告登記」を行えば、義務を果たしたことになります。
⑵ 自動車
自動車に関しては、道路運送車両法により、所有者の変更があった日から15日以内に名義変更を行わなければならず、怠った場合は罰金に科せられる可能性もあります。
また、名義変更を行わないと、売却や廃車の手続きができないことや、保険関係や税金関係でトラブルが生じる可能性があるため、速やかに名義変更を行う必要があります。
3 法律上義務化されていないが事実上必須なもの
預金や有価証券などは、名義変更が法律上義務化されていません。
しかし、預金口座や証券口座について、金融機関は被相続人が亡くなったことを知るとその口座を凍結するため、口座からお金を引き出すことができなくなってしまいます。
そのため、葬儀費用や当面の生活費、あるいは納税資金などとして活用できないことになります。
預金口座や証券口座についても、期限はないとはいえ、速やかに名義変更を行う必要があると言えます。
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